虚空蔵菩薩求聞持法私は日内山奥の院というところで虚空蔵菩薩求聞持法に入りました。 虚空蔵菩薩求聞持法はお大師さんが何度も修行して高知の 室戸岬で明星が口に飛び込んだという修法です。 私が僧侶になったきっかけはこの「求聞持法」を してみたいというものでした。 ところが真言宗ではこの「求聞持法」は僧侶にならないと させてくれませんので僧侶になった次第であります。 昼でも薄暗い部屋(お堂)で一日二回6~7時間、 合計12~13時間にわたって虚空蔵菩薩に向かって 真言を唱え続けることを53日。 ようやく今日で終わりという朝のことです。 まだ夜が明けるはるか前、東の空に向かいお堂の縁で 明星拝(明星を拝む)をしているとふいにあたりが 明るい光に包まれました。 空を見上げると北から南にかけてなんともいえない光の珠が 色を変えながら頭上を通り過ぎていき、しばらく飛ぶと 燃え尽きたように消えました。 北側は山ですから花火ではありません。 隕石の様でもありますが、それにしては低空 (推定10メートルぐらいか)でゆっくりでした。 これが世に言う明星か? 幻覚ではなく確かに今でもまぶたに浮かびます。 私は明星に出会った興奮のうちに最後の行を追え、 奥の院の山主さんにそのことを話しました。 すると山主さんの答えは 「○○君も見たの?私も「求聞持法」をした時見たんですよ。 それはね・・・ 昔この山で修行していた行者さんの霊が現われるんだよ」 と真顔で言われ、びっくり仰天してしまいました。 いい思い出になりました |